400年以上にわたる水管理と暮らしを、自然再生と次の事業へつなぐ実証フィールド。

STARTING POINT

人がつくった湿地が、
生き物の居場所になった。

日光池は、海とつながる潟湖を干拓して生まれた低湿地です。農業の近代化後も冬季は田んぼに水を張り、その風景がガン・カモ・ハクチョウ類の採餌と休息を支えています。

LOCAL ASSET

日光地区の“たからもの”

自然、産業、文化を別々に扱わず、相互に支え合う一つの地域システムとして捉えます。

水と農地

日光池、冬水田、日光川、水路、堰、ポンプ

生き物

コハクチョウ、ガン・カモ類、淡水魚、湿地生物

文化

鮒とり、龍神みこし、榊練り、漁具・漁法

産品と食

日光生姜、米、生姜飯、川魚・小エビの料理

人の知恵

塩水を防ぐ水門、排水、冬季湛水、営農管理

ECOSYSTEM FINDINGS

水の「つながり」が、生き物の移動を決める。

基礎調査では、主排水路・水田・支水路の接続性と、堰・ポンプの運用を整理しました。堰3の上下流や水田への高低差は、魚の移動を難しくしている可能性があります。

  • 冬季の水質調査では、本川で大きな異常値は確認されなかった
  • フナは広く確認された一方、コイの稚幼魚や上流側のニホンウナギは未確認
  • ウシガエル、アメリカザリガニなど外来種対策も必要
  • 通年調査と改善前後の比較で、効果を測る設計へ移行

BIRD SANCTUARY POTENTIAL

水鳥が選ぶ、農の風景。

調査では、ハクチョウ類、ガン類、カモ類がそろって見られる点が日光の特徴として整理されました。湿地と丘陵が近く、冬水田が採餌と安全な休息の場を提供します。

冬水田

農地管理が、越冬期の水面と採餌環境をつくる。

丘陵との接線

水辺と山際が近く、異なる生息環境が連続する。

地域管理

農業と水管理を担う人の存在が、生息地を維持する。

価値化

観察、研究、農産物、研修へつなぎ、管理費を生む。

CULTURE & FOOD

400年の物語を、
商品と体験の価値へ。

日光生姜は400年以上の歴史を持つと伝えられ、山の斜面に掘った生姜穴で約150日熟成させる知恵があります。春祭り、鮒とり、龍神みこし、川魚と生姜の料理も、水辺の暮らしから生まれました。

  • 日光生姜・生姜穴を核にした商品開発と食体験
  • 鮒とり・漁具・祭礼の記録、継承、再解釈
  • 住民の記憶を研究・教育・ツアーへ丁寧に翻訳
  • 「作り物の観光」ではなく、暮らしを支える受入へ

鳥取市公式「鳥取日光生姜」

「地域の方々が自分たちで続けられること」—— 調査・改善・商品化のすべてに置く、日光モデルの前提です。

2025年度 研究者会合で確認された前提

FOUR SEASONS

季節ごとに、自然と仕事の接点が変わる。

水を動かす・文化をつなぐ

水田の導水、魚の移動、春祭り、鮒とりの記憶。生態系と農作業が交差する季節。

生産と水環境を測る

生姜・稲の生育、渇水・高温、水質。営農と生き物の両立条件を検証する。

収穫と食を価値にする

米・生姜の収穫、稲刈り後の水管理。食、加工、企業研修へ展開する。

水鳥と冬水田を体験する

湛水景観、ガン・カモ・ハクチョウ類の観察。研究・学習ツアーの核になる。

EXPERIENCE